幼なじみは年の差7歳【完全版】
先に麻実の家へ行き、ユウ兄が両親へ事情を説明する間、俺は一人車で待つことに。
こっそり逃げ出すことも可能だったけど…後が怖いからそのまま居ることにした。
「良明」
「ん」
外に立つ麻実がコンコンとノックする。
ドアを開けたら、スポーツドリンクを渡された。
「傷、痛む?」
「…いや、たいしたことないよ」
「でも明日、病院に行くんでしょ?
学校にも連絡が行くから…色々大変になりそうだね」
そう…これからが大変になる。
夏の事件もあちこち連絡されたけど、多分今回ほど大変ではなかった。
今回、先輩の件もバレて俺たち全員が学校に居づらくなるかもしれない。
まぁ、先輩の親がそれは阻止するんだろうけど。
とにかく、早く無事に終わってほしい。それだけだった。
「ねぇ、」
「え?」
「あのさ、公園でのことなんだけど」
…あぁ、そうか。
公園で俺は、麻実に気持ちを伝えたんだった。
「アレって…」
「………」
どう説明すればいいだろう?
今は、詳しく話す時間は無いよな…ユウ兄がそろそろ戻ってくるはずだし。
「…全部が落ち着いたらちゃんと話すよ」
今は、そう言うことにした。
「ん…わかった」
麻実は少し寂しそうに笑顔を浮かべ、後ろに下がった。
「色々聞きたいことがあるの。
九条さんと良明のこととか…ね」
…麻実は、「おやすみ」と言葉を付け足して家に戻っていった。
「俺と先輩のこと、か…」
呟いた後、静かにドアを閉めた。