幼なじみは年の差7歳【完全版】
その後、色々な話をするうち…冬馬兄ちゃんからの誕生日プレゼントの話になった。
だから私は、冬馬兄ちゃんからの手紙を二人に見せることにした。
「冬馬兄ちゃん、もうすぐ帰ってくるみたい」
「そっか!良かったじゃん!
でもこれ読めないね。英語じゃないみたい」
私より成績の良かった麻実ちゃんが言うんだから、やっぱり英語じゃないみたい。
「…あなたに会いたくて仕方がない」
「へっ?」
手紙を見た良明くんが呟いた。
「これ、ポルトガル語。
意味は今言った通り」
ポルトガル語…。
冬馬兄ちゃんはそれを使い、そしてそれを、良明くんは読んだ。
「良明くん…凄いね…」
「俺の親父、今ブラジルに居るんだ。
で、手紙には毎回お袋に向けての甘いセリフがあるから覚えた」
…て言うか、ブラジルがポルトガル語を使ってるなんて知らなかった…。
まぁそれは私が馬鹿なだけだと思うけど。
「それでも凄いよ。
普通、見たとしても覚えられないもん」
「そうかな?毎回見てると意外と覚えるもんだよ。
発音とかよくわからないけど、書いてあるのを見るくらいならね」
良明くんが、私を見て微笑む。
「冬馬さん、美和ちゃんのことが好きなんだね」
冬馬兄ちゃんが、私を…まだ好きで居てくれてる…?
ドキドキと、痛いくらいに心臓が鳴る。