幼なじみは年の差7歳【完全版】
「冬馬さんが帰ってきたら連絡してね」
そう言い残し、二人は帰って行った。
…あなたに会いたくて仕方がない…。
良明くんが嘘を言うわけないから、きっとこの手紙にはそう書いてある。
5年経っても、冬馬兄ちゃんはまだ私を想ってくれてるのかな…?
「いつ、帰るんだろう」
電話かメールをすればわかるかもしれない。だけど…出来ない。
…嬉しい反面、怖かった。
記憶の中に居る冬馬兄ちゃんは5年前の冬馬兄ちゃん。
そして冬馬兄ちゃんの記憶の中に居る私も5年前の私…。
私自身変わったつもりは無いけれど、遠くに居た冬馬兄ちゃんが見たら私は変わってしまったかもしれない。
だから凄く不安で、凄く怖い。
「…はぁ」
…携帯を握り締め、小さなため息と共に目を閉じた。