幼なじみは年の差7歳【完全版】
――……。
2日後の、土曜日。
今日は、冬馬兄ちゃんが向こうへ戻ってしまう日…。
夕方の新幹線に乗るらしいから、その日は朝から一緒に居ることにした。
離れていた時間を、取り戻すかのように…。
「あと半年、待っててね」
「5年待ってたんだもん、半年なんてあっという間だよ」
そんな風に笑い合い、キスをした。
「…そろそろ時間だな」
冬馬兄ちゃんが腕時計を見て呟く。
それとほとんど同時に、玄関のチャイムが鳴った。
「時間ピッタリだな」
名残惜しそうに私から離れ、玄関に向かう。
その数秒後、麻実ちゃんと良明くんを引き連れて戻ってくる。
「邪魔しちゃった?」
良明くんがいたずらに笑う。
「そんなことないよー」と笑ったけれど、本当はもう少し冬馬兄ちゃんと二人で居たかったかも。
でも、二人が来たってことは…冬馬兄ちゃんがもうすぐ行ってしまう。
私たちはそれを見送りに行く。
「さて、行こうか」
少し大きめのカバンを片手に持ち、もう片方の手を私に差し出した。
その手をしっかりと握り、歩き出す。