幼なじみは年の差7歳【完全版】
14、幼なじみは年の差7歳
――……。
1年と半年後。
「…結婚式、良かったよねぇ」
お母さんが懐かしそうに微笑む。
「私もウェディングドレス着たいなぁ。
今のって色々なデザインがあって可愛いよね」
「もう、そんなことより早くしなきゃみんな来ちゃうよ?」
「そんなことよりって何よー。
手伝ってあげてるんだから感謝しなさい」
あちこちにあるダンボール。それにお母さんと二人で荷物をしまっていく。
「ようやく全部まとめたね。
美和が居なくなって、お父さんと二人きりで毎日寂しいよ」
「…すぐ隣じゃん」
…結婚式を挙げたのは半月前。
必要な物だけを隣家である冬馬兄ちゃんの家へと移し、残りは少しずつ運び出していた。
今日、全ての荷物が向こうに運ばれる。
正直、すぐ隣の家に引っ越すのは変な気分だった。
毎日同じように仕事に行き、同じ道を帰ってくる。私の生活はほとんど何も変わっていない。
料理や洗濯なんかは全て自分でやらなきゃいけなくなったけど、言うほど苦では無かった。
「冬馬くんと喧嘩したらいつでも帰ってきていいからね」
「…うん、30秒で迎えに来ると思うけど」
まるでコントのようなやり取りをしながら、最後の荷物をダンボールにしまった。