幼なじみは年の差7歳【完全版】
…けれど、すぐに問題は起こる。
翌日、学校に着いてすぐ…麻実ちゃんが恐い顔で近付いてきた。
「美和、良明はやめなって言ったでしょ?」
風になびく髪が、凄く綺麗…なんて思ってる場合じゃない。
麻実ちゃんは苛立った様子で私を見てる。
「…良明くんは良い人だよ」
麻実ちゃんが思ってるより、良明くんは悪い人じゃない。
私はそう感じた。
「冬馬さんはいいの?好きなんでしょ?
良明なんかと付き合うなんて、どうかしてるよ」
「…麻実ちゃんには関係無い。
私もう決めたの。だから、口出ししないで」
私が決めた道。それを否定されたくない。
麻実ちゃんは親友だけど、私のこと…良明くんのこと…口出しなんてされたくない。
「………」
麻実ちゃんはジッと私を見て、それから小さなため息をついた。
「わかった、もう何も言わない。
だけどね、私が美和のこと心配してるのは…覚えといてね」
どこか悲しそうな顔で微笑む麻実ちゃんは、小さく「ごめん」と言った。
そしてそのまま、手を振って行ってしまう。
(…私、最低だ)
麻実ちゃんは大切な友達で、私のこと心配してくれてるのに…。
口出ししないで、なんて…言っちゃいけない言葉だった。
最悪だ。
私、何やってるんだろう。