幼なじみは年の差7歳【完全版】


……。


“何かを得る為には犠牲が必要。”


誰が言ってたんだっけ…忘れちゃった。
でもその言葉は、本当だったんだ。

良明くんと付き合い始めて、私は冬馬兄ちゃんの家には行かなくなったし、会うこともなくなった。

麻実ちゃんとだって…あまり話さなくなった。
前は毎日二人で笑い合っていたのに、今の麻実ちゃんは、私じゃない誰かと笑い合っている。


全部私のせい。
私が選んだ道。
自分で決めた道なのに…胸が痛む。


――……。


「もうすぐ良明くんの誕生日か…」


良明くんと付き合って1月半ほどが経った。
一緒に下校したり、手を繋いでデートしたり…それ以上は何も無いままに時間が過ぎていく。

付き合って初めての、大きなイベントだ。
でも、プレゼントは何にしよう?


(男の子の好きな物なんて、わかんないよ)


だから私は、久しぶりに冬馬兄ちゃんの家に来ていた。
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