幼なじみは年の差7歳【完全版】


【美和side】


――……。


…カーテンの隙間から差し込む光と、けたたましく鳴る目覚まし時計。


(学校、めんどくさいなぁ)


そんなことを思いながら目覚ましを止めて、布団の中で体を丸くする。


まだ冷え込む4月。
私は高校2年生になっていた。


(13歳の私…“あれ”を夢で見るなんてな…)


嫌な思い出。
冬馬兄ちゃんに振られた、13歳…。

もうすぐ4年になる。
なのに私と冬馬兄ちゃんは、今でもずっと、ただの幼なじみ…。


「美和、遅刻するよ?」

「わぁ!?」


布団を勢いよく取られ、冷たい空気が一気に体を冷やす。


「んなっ…なんで部屋に居るのよぉ!」

「呼んだのに下りてこないから強行突入。
早く準備しないと遅刻だよ?」


…私たちはただの幼なじみ。
そして冬馬兄ちゃんは今でもずっと、私を子供扱い。


(私、もう大人なのに)


なんとか部屋から追い出して、パジャマから制服へと着替える。


…私が告白してからもう4年経つんだよ?
今年私は17歳になるし、冬馬兄ちゃんは24歳になる。

なのにずっと私のこと子供扱いして、ただの幼なじみとして笑ってる。


私はずっと、冬馬兄ちゃんのことが好きなのに。

やっぱりずっと、幼なじみ以上にはなれないのかな…。
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