幼なじみは年の差7歳【完全版】


胸が痛む。
届かなかった想い。それがチクチクと心の隅を刺し、全体に広がっていく。


「…さて、出かけようか、お姫様」


爽やかな笑顔と、差し出された手。
まるで異国の王子様が目の前に居るみたい。

きっと、誰もがうっとりとしてしまう王子様の笑顔。
だけどその目の前に居る私は、お姫様じゃない…。

冬馬兄ちゃんのお姫様にはなれなかった、ただの女――。


「うん…行こっか!」


無理矢理に作った笑顔で、冬馬兄ちゃんの手を握った。
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