幼なじみは年の差7歳【完全版】
――……。
お兄ちゃんの運転する車に乗り、住宅街を抜けてショッピングモールへと向かう。
カップルや家族連れがやっぱり多い。
周りから見たら私たちもカップルに見えるかなぁ?
でも、冬馬兄ちゃんに子供扱いされてるから…兄妹に見られてるかも。
(まぁ、冬馬兄ちゃんとは兄妹みたいなもんだしね)
そんなことを考えながらお店を見て回る。
「…良明くん、どんな物が良いのかなぁ」
冬馬兄ちゃんのことはもういいんだ。今は良明くんの為に買い物に来てるんだもん。
そのことを自分に言い聞かすようにと言葉を放つ。
「ねぇ、お兄ちゃんが貰って嬉しい物って何?
参考にしたいんだけどー」
と、振り返って見ると冬馬兄ちゃんは苦笑した。
「俺7つも上だし、良明くんの好みなんて知らねーよ」
「参考にするだけだから難しく考えなくていいの!
男の子の好きな物ってよくわかんないんだもん」
だからお兄ちゃんに聞いてみたんだけど…。
「タバコ。あとはガソリン代。それから…」
「………」
お兄ちゃんに聞いた私が馬鹿だった。
真剣に聞いてるのに、そんな答えアリ?
せっかく楽しくお買い物に来てたのに…イライラが爆発しそうだった。
「…ごめん、冗談」
申し訳なさそうな顔。
それからどこか遠くを見た冬馬兄ちゃんは、いつになく真剣な顔をした。
「俺は何を貰っても嬉しい。
好きな人からのプレゼントなら、なんだって嬉しい」
真っ直ぐな言葉に、心臓がドキドキと音を立てる。
冬馬兄ちゃんが私を見て微笑む。本当に、優しい笑顔。
「俺はいつも嬉しかったよ」
いつも…?