幼なじみは年の差7歳【完全版】
……。
言葉の意味がよくわからなかった。
真っ直ぐに私を見た冬馬兄ちゃんは少しだけ寂しそうに笑う。
それからいつもみたいに私の頭を撫でて、視線を外す。
「プレゼントって言えばさぁ、昔“孫の手”を贈ってきたアホが居たな」
「えっ…」
それって…私が――。
…私が冬馬兄ちゃんにあげた物。
でもあれは、プレゼントとは呼べない物。
「――あれはプレゼントじゃなくて…ただのお土産だよ」
中学の時、修学旅行で買ったお土産。
深い意味は無くて、本当に、ただあげただけ。
ヘンテコなお土産を冬馬兄ちゃんは笑って受け取って、私も同じように笑ってた。
「でも嬉しかった」
微笑む冬馬兄ちゃんを見ると、胸の奥が少しだけ痛む。
忘れようと決めたはずなのに、私はずっと忘れられないでいる。
(この人と「幼なじみ以上になりたい」って思ってしまう…)