幼なじみは年の差7歳【完全版】


「…ね、良明くんへのプレゼント、腕時計なんてどう?」

「え…?」


ハッと冬馬兄ちゃんを見ると、時計を一つ手に取っていた。


「良明くんの好みは分からないけど、これはシンプルなデザインだし…持ってて“変だ”ってことはないと思う。
でも、高校生ってあんまり時計は持たないかな」


…時間が気になったらとりあえず携帯を開く。
それは私が日常的に行っていること。多分、他の人もそうだと思う。

でも、時計って良いかもしれない。と、お兄ちゃんを見た。


「持ってて悪いことなんてないと思う。
すぐに美和のこと思い出せるしね」


そう言って自分の腕を見せる。
そこには、私が数年前に贈った腕時計があった。
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