幼なじみは年の差7歳【完全版】
4、戸惑い
――……。
翌日は約束通り冬馬兄ちゃんが学校まで送ってくれた。
本当は行きたくなかったけど…決着をつけなきゃ。
それから…麻実ちゃんとも話さなきゃ。
――あいつはやめといた方がいいよ。
麻実ちゃんは正しかった。
麻実ちゃんの方が良明くんのこと知ってるから…当然って言えば当然だよね。
だけど私は、良明くんのことを信じた…そしてこうなった。
「じゃあ、また」
「ん…夜に家行くね」
冬馬兄ちゃんと別れ、学校の中に入る。
良明くんとはいつ話そう?その前にまず、麻実ちゃんと話したいな…。
なんて考えていたら、良明くんと話す麻実ちゃんに遭遇した…。
「あ…」
ほとんど同時に気付いた私たち。
麻実ちゃんはちょっと苛立った顔。そして良明くんは、少し悲しそうな顔をした。
「美和、ちょっと」
「…はい」
麻実ちゃんはもう昨日のこと知ってるみたい。
良明くんが話したのかな?
とにかく…昨日のことを知って怒ってるのは確かだ。
…私と良明くんは麻実ちゃんに促され、あまり人の来ない廊下へとやって来た。
「良明、あんた何やってんの?
美和と付き合ってるんじゃないの?結局は遊び?」
…相変わらず麻実ちゃんは直球で、凄い迫力。
なんだか当事者は麻実ちゃんで私は立会人みたい。
「あのさ、二人で話したいんだけど」
そう言う良明くんを麻実ちゃんは睨みつける。それから私の方を見て、小さなため息をついた。
「美和に何かしたら殺す」
そんな言葉を残して麻実ちゃんは去っていった。
「するかよ、馬鹿」
もう居ない麻実ちゃんに向かって良明くんは言い、私を真っ直ぐに見た。