幼なじみは年の差7歳【完全版】
――……。
その日はなんだかあっという間に時間が過ぎていった気がする。
時々良明くんのことを思い出して胸が痛くなるけれど、麻実ちゃんと一緒に居るとそれを忘れることが出来る。
麻実ちゃんは、私の支え。
…そして放課後。
ほとんどの人が帰った教室にいつもの活気は無く、数名の話し声がするだけだ。
「じゃあ、ほんとに先に帰るけど…大丈夫?」
一人になりたい。そんなことを思っていた。
だから麻実ちゃんは心配そうに私を見る。
「大丈夫だよー今はちょっと一人になりたい気分なんだ」
「そっか。じゃあ帰ったらメールしてね」
手を振り麻実ちゃんと別れる。
教室に残っていたクラスメートたちもそれぞれ教室を出た。
文字通り、一人きりの教室。
(…一人になると色々考えちゃうな…)
そんな時、
ガラッ、とドアが開く。
反射的にそちらを見、そして目が合った。
「少し話したいんだけれど、いいかな?」
良明くんは言い、教室に入った後ドアを閉めた。