幼なじみは年の差7歳【完全版】
良明くんのことは、多分好き…。
だけどもう、恋人としてはやり直せない。
ミキさんと体を重ねていたこと…それを考えるとやっぱり無理だ。
「…そっか」
私を解放した良明くんは寂しそうに笑い、ゆっくりと離れる。
「いつか、恋人に戻れる日を楽しみにしてる。
その時は…もう絶対誰にも邪魔させない」
そんな言葉を残し教室を出て行った。
私が渡した時計も、ちゃんと受け取ってくれた。
…ミキさんとのことはやっぱり許せないけれど…後味は言うほど悪くなかった。と思う。
(帰ったら冬馬兄ちゃんに話さなきゃ)
暗い雰囲気で終わったわけじゃない私たちの別れを、笑って話そう。
だけど、涙が溢れてきた。
今までのこと、良明くんと居た毎日は、やっぱり幸せだった。
だから今は、一人で居る今は、泣いておこう。
冬馬兄ちゃんの前では泣かないように。冬馬兄ちゃんには絶対に心配かけたくないから…。
静かな教室で、私は静かに空を見つめた。
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