幼なじみは年の差7歳【完全版】
「一回家に帰って、それからウチにおいで」
「…ん」
優しい口調。幼い子供に話しかけるような、そんな優しさ。
冬馬兄ちゃんは7歳も上だから…いつまで経っても私は子供扱い。
でも、子供扱いされているうちはずっと変わらない関係で居られるのかな?
それなら…ずっとこのままで良いかもしれない。
(…少し前までは、子供扱いされるの嫌だったのにな)
そんなことを思っていたら、あっという間に家に着く。
私を降ろした後、いつものように車庫入れ。
その後、車から降りた冬馬兄ちゃんはチラリと私を見、やっぱり優しく笑った。
「ただいまー」
「あ、おかえり。冬馬くんと会えたみたいねー」
ひょい、と顔を出したお母さんはホッとしたように笑う。
遅くなって、やっぱり心配かけちゃったかな…。
「着替えたら冬馬兄ちゃんのとこ行くね」
「ご飯は?」
「あっちで食べるー」
階段を上りながらの会話。昔からやってるやり取りで、お母さんも慣れたように返事をする。
制服をさっさと脱いで、私服に着替える。
ちょいちょいと髪の毛を直して、携帯だけをポケットに入れ部屋を出た。