幼なじみは年の差7歳【完全版】
「…お兄ちゃんと結婚する人は羨ましいね。
料理上手な人と一緒に居たら絶対幸せになれるもん」
何の気なしに言ったそれに冬馬兄ちゃんは苦笑する。
「結婚、ねぇ…」
パスタをクルクルっとフォークに巻きつけて、言葉を続ける。
「俺がさ、誰かと結婚したら美和はどう思う?」
「え?」
この質問、何?
その言葉には、どんな意味があるの?
「…お兄ちゃんが幸せなら私は嬉しいよ。
お兄ちゃんが選んだ人ならきっと、良い人だろうし。私は祝福する」
……。
そう言ってはみたけれど、私、本当に祝福出来るかな…?
心から「おめでとう」って言える?
「まぁ、結婚する予定なんて無いから安心しとけ」
「…それって安心しといていいもの?」
冬馬兄ちゃんの言葉にちょっと安心したけど、ずっと独身ってのも問題だよねぇ…。
だけど冬馬兄ちゃんは笑ってる。
「相手が居なきゃ結婚のケの字も出ないって」
…うーん、確かにそうだよね。
お見合いとかすれば話は別だけど、その予定も無いだろうし。
「でも、せっかくのイケメンさんなのに勿体無いなぁ」
冬馬兄ちゃんが誰かと結婚したらそれはそれで複雑だろうけど…今言ったことも本音だ。
だけど、
「なら美和が俺の嫁さんになる?」
まさか、そんな言葉が返ってくるなんて思ってもいなかった。
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