幼なじみは年の差7歳【完全版】
――……。
食事を終え、食器を洗う。
私が洗い物をしている間、冬馬兄ちゃんはソファーに座ってタバコを吸い、携帯で何かを操作。
洗い終わって部屋に戻るのとほぼ同時に携帯を閉じて、タバコを灰皿に押し付けた。
「洗い物、ありがとう」
「…ん、このくらいしなきゃね」
夕食をご馳走になったお礼。
それに…同じ部屋に居たくなかったから洗い物をした。
今は、冬馬兄ちゃんの横にそっと座ってみる。
「…良明くんと、どんなこと話した?」
その言葉で本来の目的を思い出す。
私は、良明くんとのことを話す為に冬馬兄ちゃんの家に来たんだ。
だからもう、頭を切り替えよう。
「ミキさんはね、良明くんの元カノで…でもミキさんはまだ付き合ってるつもりだったみたい。
あの、ね…“体だけの関係”は続いていたから…でもそれは私のせいで、良明くんはミキさんに脅されていて…」
…なんだか上手く言えない。
冬馬兄ちゃんにちゃんと伝わってるのかわからないけれど、それでも話を続ける。
「…良明くんは、私が冬馬兄ちゃんと会ったりするのも“同じ行為”なんじゃないかって言ってた。
でも、その後に謝ってくれたけど…私がしてたことは、“同じ行為”だったのかな?」
今でもよくわからない。
幼なじみと一緒に歩いたりすることは、いけないことなのかな?
一緒に買い物とか…たまに出かけることは、ダメなこと?
口を挟むことなく聞いていた冬馬兄ちゃんは、タバコに火をつけた後に微笑んだ。