幼なじみは年の差7歳【完全版】
街の中心。駅前でバスを降りる。
ここでそのまま待っていれば、帰りのバスがすぐやってくる。
いっそこのままどこか遠い町にでも行っちゃおうか?
そうすればあの二人の“未来”を見なくて済む。
私が居なければ、きっともっと堂々と、幸せになってくれるはず。
「あれ?こんなとこでどうしたの?」
「え…」
背後から聞こえた声に体が硬直する。
まさか冬馬兄ちゃんたちが…と、ゆっくり振り返ると、そこに居たのは心配そうに私を見る良明くん。
近くには友達が3人居る。
良明くんは友達と何かを話す。それから、良明くんを残して3人は人混みへと消えていった。
「どうしたの?何かあった?」
「…私、そんな顔してる?」
頷く良明くん。
やっぱり顔に出やすいんだなぁ、なんて他人事のように空を見た。
「…ちょっと、見たくないもの見ちゃって」
と、そう言ったら良明くんは少し考えて…私の手を掴んだ。
「…俺も見たことある」
「え…」
凄く真面目な顔で、次の言葉を出す。