依存~愛しいキミの手~
『さっきの圭介って誰?』


ゆきからメールが届いた。

『友達だよ。この前話した美香の友達』


『私も一緒に遊びたい!紹介してよ。みんなで遊んだ方が絶対楽しいよ』


何かこのメールが勘に触りイラっときた。


『都内に住んでて遠いから無理だよ』


そう返すと、ゆきからは返信がこなくなった。


次の授業は体育か…。


かったるいからサボってタバコ吸いに行こう。


そう思って立ち上がると、ゆきが近づいてきた。


「何でダメなの!?」


「いや、だから~」


しつこいゆきにイライラし、それをなだめるように頭をかきながら言うと言葉を遮られた。


「遠いったって都内なら近いじゃん!あすか独り占めしたいんでしょ!!」


ゆきが教室中に響き渡る声で怒鳴る。


体育で隣のクラスからも女子が着替えに来ている。みんなが静まり返り私たちに注目した。


「ゆき、どうしたの?」


茜が驚きながら話かけてきた。


「あすかが、友達紹介してくれないの。ひどくない?みんなで仲良くなって遊んだ方が絶対楽しいのにさ、かっこいい男だから紹介したくないだけなんでしょ!?」


あーもう本当に面倒臭いヤツだな。


「あすかにだって私たちの知らない友達くらいいるでしょ。ゆき、さすがにガキ臭いよ」


茜がゆきの肩を叩きながら言ってくれた。
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