依存~愛しいキミの手~

ハマの川

横浜駅に着き、5番街のマックでテイクアウトする。

家電屋の脇道に入り相鉄線が見える川沿いに行く。


これが、地元の友達との放課後の定番。


「こんな所あったんだぁ」


知美がキョロキョロしながら言う。


「ここだと静かだし、マッポもめったに来ないからたまり場みたいなもんだよ。」


防波堤のようなコンクリートの長い遊歩道。その右下には一車線の道路があるが、車の通りは少ない。


同じようにサボっているのか、制服を着た人がパラパラと座っている前を通り過ぎ、真ん中ら辺まで歩き輪になるように座り込んだ。


「圭介ってどんな人?」


茜がハンバーガーを頬張りながら聞いてきた。


「うーん…漫画みたいな展開が多い人…?(笑)」


私が軽く笑いハンバーガーの包みを開けた。


「何それ!?漫画のような理想の男ってこと?」


「違う違う、何かいつも漫画やドラマで見てたようなシチュエーションになる…ってゆーか?」


目の前の川で魚が跳ねた。


「さらに分からない(笑)」


茜が笑いながら川の柵に寄りかかる。


「私は圭介くんすごい優しくて、色んなことに気づく人だと思う。勘がいいって言うのかな?…まぁホストとしての圭介くんしか知らないけどね」


知美が優しく笑いながら言った。


勘がいい…。確かに。


そう思うと、圭介は私の気持ちに気づいているのかも…。


そんな考えを飲み込むように、ハンバーガーを口に頬張った。
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