依存~愛しいキミの手~
家に帰り、夕飯を軽く食べてから塾の道具をもって家を出た。


坂を下っている途中、携帯がポケットの中で震えた。


「もしもし、起きたの?」


「ああ、今シャワー浴びてきたとこ。もう塾行ってんの?」


圭介の声だ。


口元の緩みが隠せず、笑顔になる。


「今坂下ってるよ。…あ!!今日ね、ちょう偶然なことがあったの!!」


私が知美のことを思い出し、声に力を入れた。


「何?そんな興奮すること?(笑)」


圭介が軽く笑う。


「うん!!ちょーびっくりするよ!あのね、学校にA店の上の店で働いてる子がいたの!!」


「えっ…!?」


驚く圭介。


耳には小さく聞こえるニュース番組の音だけが響いた。


「しかもね、圭介の店に飲み行ってて、圭介のことも知ってたんだ!!」


私が興奮して早口で言う。

「え!?誰!?」


「知美って子」


「とも…み…?…」


圭介が考え込んでる。


「んっとね、すっごい綺麗な子。色白で、さらさらつやつや黒髪の顎くらいの長さで…あ!りょうちゃん指名って言ってた!」
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