依存~愛しいキミの手~
「ゆきさ…、友達ってもんを勘違いしてない?2人のトラブルなら2人だけでやりなよ。周りまで味方だなんだって巻き込まない!はぶきとかダサいし、あすかがんなこと気にするタイプじゃないでしょ。私はこういうの好きじゃないからノータッチだよ」


そう言って、両手をひらひらさせながら自分の席へ歩き出した。


ゆきも悔しそうに自分の席へ戻って行く。


茜って、去年は味方だ敵だってトラブルメーカーだったけど、大人になったんだな。


ゆきもいつか大人になってくれんのかな?


茜の背中を見て思った。


ゆきとの出会いは入学したての部活見学だった。


テニス部の見学に1人で行った時、たまたま隣に座ったのがゆき。


人懐っこくてすぐに仲良くなった。ゆきがテニス部に入ると言うから私も入部したけど、上下関係や、練習が台風の中でもテスト中でもあるという厳しさがあり、根性のない私は面倒臭くなって半年もたたず辞めた。


部活を辞めた後もゆきとは仲良かった。中2になって同じクラスになり、より一層仲良くなった。


ゆきは友達関係に口挟む所以外は全然遊びやすい子だった。恋愛の相談や悩みなど、よく聞いてくれた…。


ただ、中2の後半くらいに知美が佐藤を好きになって悪口が半端なくなってきた。それが嫌で、前みたいにずっと一緒にいることはなくなった。


…根はいい子なんだよね…。

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