依存~愛しいキミの手~

迎え

昼休みになり、廊下で茜と話していると知美が来た。


「さっきの、あすかちゃんのおかげでしょ?ありがとう」


にっこり笑って言うので、恥ずかしくなる。


「何かあったの?」


茜に聞かれたので、たまり場での出来事と教室での出来事を説明した。


「あははっ、面倒くさい面倒くさい言いながら、なんだかんだあすかって放っておけないタイプだよね(笑)あんたらしいよ」


と、私の肩を叩きながら言われた。


「さ、次移動だからそろそろ行こう?」


茜が歩き出しながら言った。


『今ついた。校門の前で待ってる』


5時間目の終わり頃、そう圭介からメールが届いた。

!!


うわぁ、さっきゆきに好きになり始めてるって口にしたら、すっごい自覚し始めちゃって緊張してきた!!


両手で赤くなる頬を押さえた。手首から、圭介の匂いがする。


HRが終わり、知美が迎えにきた。慌ててロッカーに行きカバンに教科書を突っ込む。


「あすかが教科書持ち帰るなんて珍しいね」


顔を上げるとゆきと茜が立っていた。


「あ、今日友達に勉強教えてもらうんだ。あ!私明日休むから!」


先週金曜シフトに入れたけれど、明日学校があることをすっかり忘れていた。


カバンに入れ終わり持ち上げるとすごく重い。久しぶりに教科書の重さを感じた。
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