依存~愛しいキミの手~
「まぁ一応フォローしておくと、今より目つきも鋭かったし顔も幼かったから、まぁ見慣れたら似合って…はないなぁ(笑)ただ似合ってないのに見慣れただけだったかな(笑)」


圭介はまた美香の頭を軽く小突いて笑った。


「ギャル男から突然さわやか系になった時みたいな反応?」


りょうちゃんがタバコを吸いながら、美香に聞いた。


「あーあんな感じ!でも今のは似合ってるからマシだよね(笑)」


「何で突然ギャル男やめたの?」


私は前から気になっていたことを、会話の流れで聞いてみた。


「髪触ってみ?」


圭介がタバコに火をつけながら、私の方に首を傾げてきた。


少しドキドキしながら、圭介の髪に手を伸ばす。


初めて触る…。


そう思いながら触れると、想像していた感触とは全く違った。


艶があるから、さらさら柔らかそうなのに、ごわごわと固い。


「な?痛みやべーだろ?」


驚く私に笑いながら姿勢を戻す圭介。


「柴犬みたいだった…」


友達の家にいる柴犬。圭介の髪に触った時それを思い出した。


私の発言に爆笑する優。


「お前もいい加減銀髪やめねーと、将来ハゲんぞ(笑)」


圭介がそう笑いながら、優の背中にパンチを入れた。
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