依存~愛しいキミの手~
「今日のは運が良かっただけですよ。氷飛ばすは、水ひっかけるは、ドジしちゃったし。…売上の大半はゆりあのおかげだし…」


灰皿を見つめながら、タバコをくるくるとこすりつけて形を整えながら呟いた。


「運がいいなんていいことだよ。この商売、運が物を言うんだから」


「運が物を言う?」


顔を上げ、イッシーを見ると笑って頷いた。


「お客様を掴む運。いいお客様に出会える運。そこからどう繋いで行くかが、実力かな」


運も実力のうちってことか…。


はぁー。


イッシーに励ましてもらったけど、やっぱり今日のは私の実力じゃないと思うと、ため息しか出なかった。
< 156 / 441 >

この作品をシェア

pagetop