依存~愛しいキミの手~
今まで付き合ったことがないわけじゃない。最後まではないけれど、キスとかそれ以上の経験も少しだけしてる。


なのに、何でこんな肩抱かれただけでドキドキするの!?


いや、そりゃ突然肩抱かれたらドキドキはするだろうけど、このドキドキは異常だよ。顔だけじゃなく全身の体温が上昇してきてる。


頭の中がパニックで、目をぎゅっとつぶって口元に手を当てていた。


「え?だ、大丈夫か!?具合悪い!?」


私のおかしな様子に気づいた圭介が、首を前に折り顔を覗き込んできた。


うわーち、近い!!近いよー!!!


さらに心臓はバクバクして壊れそうになる。


「し…しん…」


「しん?」


「心臓がぁぁあ」


私は半泣きになっていた。

「心臓!?何!?お前心臓悪いの!?」


圭介が慌てて私をシャッターのおりてる店の前に座らせてくれた。


私は膝を抱え頭をうずめ、頭の上で手を振る。


「ち、違う、心臓がドキドキしすぎて近いの、恥ずかしくて、バクバクしちゃったら暑くて…」


やっとの思いで気持ちを口に出したら、ワケ分からなくなった。


「は!?…とりあえず体弱いわけじゃねーんだな?」


私がコクコクうなずくと、はぁーっと大きなため息が聞こえた。


「あーよかったー。まじあせったし」


圭介がシャッターに寄りかかり、ずるずるとしゃがみ込む音がした。
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