依存~愛しいキミの手~
真っ白な頭の中に、圭介の言葉だけが響く。


…キ…ス…?


キス…?


!!??


「な…なん…何で……」


やっと出た言葉がそれだった。


「何でって…」


圭介が少しおでこを浮かせ、コツンとぶつけてきた。


「したいと思ったから…」


…。


一気に心臓がバクバクするのを感じた。


「な…」


言いかけた時、私が口に当てていた手をつかみどける圭介。


圭介が私の目を見つめる。


目の中に引き込まれる…。


そう思いながらも目が離せない。


圭介はゆっくり目をつむりながら近づき、私の唇に当たるか当たらないかくらいの、キスと呼べるか分からない一瞬の口づけをした…。
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