依存~愛しいキミの手~
………。


お互い視線をそらし、顔を赤らめて黙り込んだ。


圭介が黙ったまま体を起こし、私に背を向け、ベッドの脇に置いてあるテーブルからタバコをとって火をつけた。


私も起き上がり膝を抱える。


「吸う?」


圭介は私を見ずにタバコとライターだけを、後ろ手に差し出してきた。


私も圭介の顔は見れずに、タバコとライターを受け取った。


箱から1本取り出し、口にくわえようとしたけど、手が止まる…。


タバコの変わりに軽く握った手を当て、体温が急上昇していくのを感じていた。
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