依存~愛しいキミの手~
…本当に何事もなかったみたいな態度…。


でも、そのおかげで私も普通にできる…。


さっきの出来事を思い出し、指で唇に触れた。


このくらいだった…?


いや、もっと軽い感じ…って!!私何してんの!?


自分のしていた行動が信じられなくて、テーブルに肘をつき頭をぐしゃぐしゃにかいた。


「何してんの(笑)」


部屋に戻ってきた圭介が無邪気に笑う、


…さっきのこと思い出してたんだよ…なんて言えるわけないじゃん。


圭介はどういうつもりだったの…?


言葉が喉まで出かける。だけど、口に出せるわけない。


きっとはぐらかされる。


…ううん…、違う。期待通りの言葉が聞けないって分かってるから怖いだけ…。


ピザを食べ終わり20時を回った。


「21時からだよな?そろそろ行かないとな。タクシー呼ぶから」


そう言って圭介は電話をかけた。


「5分くらいで着くみたいだから出よう。荷物は明日取りに来ればいいから」


と言われ、私はカゴバッグだけ手に持ち立ち上がった。


圭介がドアノブに手を当て止まる。


?


忘れ物?


圭介の後ろ姿を見つめていたら、急に振り返り腕を引っ張られて引き寄せられた。
< 178 / 441 >

この作品をシェア

pagetop