依存~愛しいキミの手~
それから圭介たちの横でテスト勉強を始めた。分からない所を優が教えてくれて、それが塾の先生なんかよりも全然分かりやすくて驚いた。


「優、先生になれるよ!すっごい分かりやすい!」


私が笑って言うと優は嬉しそうに笑った。


「俺教師になりたいんだ。だから今通信で高卒取るか大検受けるか悩みながら、金貯めてんの」


へぇー。


美香もだけど、もう夢が決まってるってすごいな…。


笑う優を見て羨ましく思った。


少し寝たけど、何かすぐに目が覚めた。みんなはまだ寝ている。


私は机に広げたままのテキストをまたやり始めた。


しばらくするとドアをノックする音が聞こえてきた。


?


ドアを開けると、綺麗な女の人が立っている。圭介のお母さんと言うことは、顔を見てすぐに気づいた。


「あ…お邪魔してます。」


私が慌てて頭を下げる。


「…ご飯できたんだけど、みんな寝てるのね…あなただけ先食べちゃう?」


「え!?」


部屋を見渡した後、私に言うおばちゃんに戸惑っていると


「私1人で食べても美味しくないからさ」


と、手を引っ張られリビングに連れて行かれた。


ダイニングテーブルに座ると、レストランに出てくるようなお洒落な料理が出された。
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