依存~愛しいキミの手~
キッチンも広かった。


ドキドキしながら圭介に近づき、タバコをもらって吸っていると、美香と優が下りてきた。


「おばちゃん、久しぶり!」


美香と優が声をかけ圭介のお母さんの座るソファーに腰掛けて話し込んだ。


「美香さ、ショップ店員になりたいっつってただろ?だからお袋に色々相談してるみたい」


冷蔵庫に寄りかかってソファーの方を見て言う。


あ、圭介のお母さんアパレルの社長だっけ…。


ご飯を私と圭介で用意していると、優と美香が座った。


「おばちゃんのご飯久しぶり~♪いただきまーす!」


美香が嬉しそうに食べ始めた。


私もソファーに座り、大きなテレビ画面を見ながらケーキを食べた。


しばらくしてみんなで部屋に戻り、時計を見ると21時を回っている。

「あ、そろそろ帰らなきゃ!」


私が言うとみんなも時計に視線を移す。


「ヤバっ!今日夜アニキたち出かけるから風花の面倒見る約束してたんだ!」


美香が慌てて荷物をまとめだした。


「ごめん!先帰る!」


と、ドアを出て行く美香を優も追いかけながら


「じゃあな!…おいっ暗いから送るよ」


と、だけ残し出て行った。


圭介が立ち上がり、窓の外を見る。


「また降り出したんだな。バイクで送ろうと思ってたけど無理か。タクシー呼ぶな」


そう私の目を見て言った。
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