依存~愛しいキミの手~
ドキッ


今までまともに圭介の目を見ないようにしていたから、急に胸が高鳴り始める。


思わず目をそらしてしまった私の頭をぐしゃぐしゃっとなで笑う圭介。


タバコに火をつけながら、私の座るソファーに腰をおろした。


ヤバい…、緊張する!


美香も優も何で先帰っちゃったんだよー!!


「タクシーで吉祥寺まで出て、京王線で渋谷に行けるから…って、お前聞いてんのかよ」


圭介が私の頭を小突く。


それにすらドキドキが加速した。


「き、聞いてるよ!吉祥寺行けばいいんでしょ!?」


何度もまばたきをしながら圭介の顔を見る。


「まばたきしすぎ(笑)」


笑いながら、私の頭を優しくなでた。


ヤバい…ヤバいよ…。


心臓がバックンバックン言って、絶対顔真っ赤になってる。


「だから、まばたきしすぎだって(笑)俺、向こう行ってるから着替え終わったら呼んで」


そう言って、まだ長いままのタバコを灰皿に押し付け、部屋の外へ出て行った。


はぁーーーっ。



長いため息をついて、ソファーにもたれかかった。


普通にするって難しい…。
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