依存~愛しいキミの手~
タクシーで数分で吉祥寺についた。


タクシーを降り私は思わずしゃがみこむ。


え、な、何で!?


それに、あの笑顔…


どういう意味?


私…期待しちゃっていいの…?


指で唇に触れながら、口元が思わず緩んだ。


理由は知らなくていいって思ってたけど、知りたくなる…。


ううん、違う。期待しかできなくなってきてるんだ。


春子さんの存在なんか忘れちゃって、もしかしたら…なんて気持ちが胸に広がる。


だめだ…私、このままだと好きが止まらなくなる所か、期待しかできなくなっちゃうよ…。


圭介、何でキスしたの?


たったその一言が聞ければ、どれだけ楽になれるんだろう。


井の頭線に乗り渋谷へ出た。渋谷からの乗り換えに迷いながらも、何とか横浜に着いた。


頭の中は圭介のことで一杯で、タクシーを使って家まで帰った。


家に帰ると、母親が何か小言を言っていたけれど耳になんか入らなかった。


散らばる物をどかしながら、ソファーに座り足を伸ばしてテレビの電源をつける。


やっぱり私の部屋狭っ(笑)


あ、圭介に着いたって電話しなきゃ!


「もしもし?」


圭介の声が私の鼓動を早くする。


ずっとずっと聞いていたいくらいに愛おしい声だった。
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