依存~愛しいキミの手~

衝撃

次の日私は寝坊した。


お母さんに起こされなければ、テストに間に合わなかっただろう。


なんとかギリギリに間に合い1時間目のテストを終えた。


10分休みになり私はダッシュで隣の教室に走った。


「知美!!」


ドアの所で大声を出した私に周囲も知美も驚き、私を見る。


「ど、どうしたの?」


小走りで駆け寄ってくる知美。


「け、圭介に…」


「圭介くん…?…あ!そうだ、この前先帰っちゃってごめんね!」


知美は顔の前で両手を合わせ謝る。


…あれ?


「知美、髪…」


私が知美の髪を指差して言った。


「あぁ、これ?エクステつけたんだ」


知美が長くなった髪を触って言った。


髪が長くなったことで、知美の顔がさらに小さく見える。


「すっごいサラサラだね。地毛みたい」


私はエクステを触って言った。


「お店の子が教えてくれた美容院でつけたの。人毛なんだよ」


人毛?


「人間の髪の毛。ファイバーがほとんどだから、ずっと探してたんだ。8万くらいかかっちゃった(笑)」


は、8万!?


やっぱ知美って金銭感覚が違う…すごい…


「で、圭介くんがどうしたの?」


知美が私を見て言った。


時計を見るともうすぐ休み時間が終わる。


「あの後圭介と色々あって、それ聞いてほしくて」


「あ、もしかして」


「ほら、席つけー」


先生の声が知美の言葉を遮った。


「とりあえず暇だから!終わったら聞くよ」


先生と私を交互に見ながらあたふたする知美の姿がかわいくて、思わず笑ってしまった。
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