依存~愛しいキミの手~
ストラップ?


揺れるストラップを見て、不思議に思った。


「ハマでストラップのこと聞いたでしょ?」


「あ!」


あの時の知美も、電話で知美と同級生だったと言った時の圭介の反応も、おかしかったことを思い出した。


「前に、お店で圭介くんがストラップつけてるなんて珍しいねって話をしたんだ。その時、一緒にいて落ち着くやつからもらったからって言ってて、てっきり親友か何かかと思ってたら、あすかちゃんだったからビックリしたんだ」


…そんなこと言ってたの…?圭介はそれを知られたくなかったから、あんなに焦ってたってこと…?


「でね、そのストラップのことと、告白後の圭介くんの表情見て、もしかしたら圭介くんはあすかちゃんのことが好きなんじゃないかって思ってたの」


圭介が…私を…?


「ないない、それはな…」


…いよね?


…うん、私の期待しすぎなだけで…ないよ…ね…?


「どうしたの?」


タバコを吸ったまま止まる私を、不思議そうな顔で覗き込む知美。


「…実は…圭介に…キス…されたんだ…」


「え、えぇえ!?」


灰皿に灰を落としていた知美が、驚きすぎて灰皿をひっくり返した。
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