依存~愛しいキミの手~
手を繋ぎ歩いていると、圭介が手を顔くらいまで上げて言った。


「手の繋ぎ方とかこだわりある?」


「え?そんなんないよ(笑)圭介あるの?」


私が笑いながら言うと、頷きながら繋ぎ直した。


圭介の人差し指と中指の間に私の小指を入れて、人差し指と親指の間に私の親指以外の指をいれて、ギュッと握った。


あ…こっちの方が繋ぎやすい。


「な?こっちのがフィット感いいだろ?」


得意気な顔で笑って言う圭介。




圭介、知ってる?私今でもこの繋ぎ方癖なんだよ。これじゃないと違和感があるんだ…。




しばらく歩くとビルのネオンが光る繁華街に出た。


初めて見る街並みにキョロキョロしながら歩いていると、コンビニの前で美香と優が待っていた。


「遅い~…って何!?手繋いじゃって!!」


美香が目を見開いて驚いてる。


圭介が手を持ち上げ、いたずらする子供のような笑みを浮かべた。


恥ずかしくて顔が上げられなかった。


きっと今顔真っ赤なんだろうな…。


コンビニでタバコと飲み物を買い、ゲーセンに入った。


「出会い記念」


美香が目を細め笑い、プリクラの機会を指差して言った。
< 21 / 441 >

この作品をシェア

pagetop