依存~愛しいキミの手~
ラーメンを食べ終わり、いつもの川へ行った。


「今日は本当にありがとね!!知美の言葉のおかげで、すっごい元気になれた!」


タバコを吸いながら、口角を上げる知美。


さっきまでの暗い気持ちなんか、本当にどこかに飛んで行ってしまった。


私は立ち上がって、川の柵に手をついた。


すうっと息を吸い込み、


「圭介が好きだぁー!!」


そう、川の向こうに意味なく叫ぶ。


何でこんなことしかのか、自分でも理解できない。


でも、胸の奥にたまった気持ちを声に出したくて仕方なかったんだ。


「あはははっ、あすか最高~」


知美が、お腹を押さえながら笑う。


こんなに笑っている知美を見るのは初めてで、何だか嬉しくなって私も笑った。


知美がお客さんと電話しているので、タバコを吸っていたら私の携帯も震えた。


『圭介』


やったぁ!


画面の文字を見ると、いつも緊張していたけど、この時は嬉しくて嬉しくて仕方なかった。


「もしもし!」


気持ちが弾む声となる。


「なんか元気だな(笑)」


圭介の笑い声に、顔がほころぶ。


「知美と買い物してたんだ!夏物買いまくって、水着も買ったから夏の準備完了!」


「夏かぁ。海行きてーな」


電話越しに聞こえるジッポの開く音。


「圭介たちはどこの海行くの?」


都内って泳げる海あるのかな?
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