依存~愛しいキミの手~
母親との口論はヒートアップするばかり。


2人の怒鳴り声が団地に響いてこだまするくらいだった。


「もういい!!分からないなら出て行きなさい!!」


「言われなくても出てくし!姉ちゃんだけかわいがってろよ!」


お互いに涙をボロボロこぼしながら怒鳴った。


「二度と帰ってくんじゃないよ!」


そうリビングを出て行こうとする私の背中に捨てゼリフを吐く母親。


言葉を返す代わりに、本棚を力任せに倒してリビングを出て行った。


悔しい…。


いつも私を否定しかしない。


いつも姉ちゃんと比べて、私がどれだけ劣っているかを言ってくる。


そんなこと言われなくても分かってる。


分かってるからこそ、自分を認めてもらいたかった。


認めてもらえるような優れた物を持っていないんだって気づいたから、遊びだした。


ただのガキ臭い甘えなんだって、それに気づいてほしかった。


否定しないで、一言ごめんと言ってくれたら私だって素直になれる。


そういうことを分からないくらい、私を見てくれてない親がものすごく嫌いだった。


結局最後はもういいと見放して呆れる親に、愛情を感じなかった。
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