依存~愛しいキミの手~
仕事が終わったら、小田急で江ノ島に行き、ビールを飲みながら海で遊ぶ。


それが週の半分を占めていた。


今思えば、睡眠時間なんてほとんどなかった。あの頃は若さだけで突っ走っていたから、眠い中はしゃいでいることすら楽しすぎて仕方なかったんだ。


「今日もクラブ行く?」


海の家で、焼きそばを食べている時美香が聞いてきた。


地元の友達と横浜にあるクラブへ何回か行ったことがあるが、大して面白いとは思わなかった。


まだ家出をする前の夏休みに入ってすぐ、いつも通り美香と渋谷にいると、美香が


「クラブ行かない?」


と誘ってきた。


こっちのクラブはどんなんなんだろうと興味があり圭介と優も誘い行くことにした。


今まで行ってたクラブよりも、箱は広く客数は多くかなり熱気があふれていた。


かなり興奮した。


お立ち台に登り踊る美香がかっこよく見えた。


一気にハマり、次の日朝一で「パラパラスタジアム」のビデオを買いに行ったのを覚えている。


それからはクラブ漬けになった。


色々なクラブへ行き、そこの箱の振付を覚えたりビデオをもらうのに並んだり、仕事後美香の家でビデオを見ながら練習した。
毎週顔を合わせる子たちとも仲良くなり一気に友達も増えた。


当時の私はstayが好き1番だった。あと、リンダリンダとかがかかった時に男たちが大乱闘するのを見るとテンション上がって興奮した。


数年前にトランスで大流行したBANZAIも確か私が中3の時に流行っていた記憶がある。


今振り返ると、本当に当時のパラパラブームの熱気はすごかったと思う。簡単にパラ打ちできるくらいだったし。
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