依存~愛しいキミの手~

港の見える丘公園

学校は中3の2学期と言うこともあり、みんな勉強に励んでいた。


当時の内申配分が、中3の2学期は倍になっていたから。


私は、制服がかわいいからと推薦が貰えるからと言う理由だけで希望校を決めた。


正直推薦がもらえるとは思ってもいなかった。


髪を黒く戻し遅刻・中抜・早退をしないと言う約束ができるならと、先生が提案してくれた。


翌日髪を黒くすると、学校でもお店でも、圭介たちにも驚かれ笑われた…。


お店の方は順調だった。週2だった出勤を週4に増やしたら、指名してくれるお客さんもどんどん増え、売上も伸び10位以内に入るようになった。


売上がある程度いって安定してきたので時給計ではなく、知美と同じように売上の%で給料が貰えるシステムに変えた。バックも出る店だったので、知美の言う通り今までの給料は何だったのかと思うほどに稼げた。


私は水商売にハマっていた。


「思うように売上が伸びると面白くなるよね」


知美が灰皿に灰を落とし言う。


「今それがすっごい面白い!!」


テーブルに置いた缶ビールに手を伸ばし笑って言った。


「…親は大丈夫なの?」


ドアの外を気にするように、声を小さくして言う知美。


「さぁ?呆れてんじゃない?何も言ってこない」


知美が頷きながら煙りを吐き出した。


白い煙りが、私の部屋に広がっていく。
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