依存~愛しいキミの手~

過去

「何してんのー?」


プリクラを見ていた私たちの前に、スーツを着た男が3人集まってきた。


ナンパ?…でもなんか違うような…。


「ホストに興味ないから。あすか、行こう」


そう言って美香が立ち上がり私の手を引っ張った。


「ホストだったんだ!初めて会った!」


私がちょっとテンション高めに言うと、美香が声を出して笑った。


「あはは、さっきまで一緒にいたじゃん、ホストと」


え…?


「あれ?言わなかったっけ?優と圭介ホストやってんだよ。今行ってるバイトってホストのこと。」


「え、えぇえ!?ホ、ホスト!?」


だから圭介あんな女慣れしてる感じだったのか…。


「え、でもホストって18からじゃないの?」


「身分証明甘いからできるんだよ。友達ホストもキャバも結構やってるよ」


へぇそうなんだ…。水商売なんて、テレビの世界だから全く知らなかった…。


「…でもさ、ホストって女の人相手にするんだよね?そんな人と付き合ってて不安じゃない?」


美香は上を向いて少し考えて


「不安がないって言ったら嘘になるけど、ホストやる前から知り合いだったし、やることになった事情も理解してるからね…」


と、視線を合わせずに口元だけ微笑んだ。


「あ、ここでいいや!」


美香が立ち止まったのはカラオケ屋の前。


「お互いのこと色々語ろうよ!」


急に手を引かれ、足がもつれそうになりながらついて行った。
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