依存~愛しいキミの手~

幸せ

抱き合いながら、しばらく沈黙が続く。


圭介の胸に当たる私の右耳。


トクントクンと圭介の鼓動が聞こえてくる。


私と同じ…ううん、それ以上に速かった。


突然の告白。


信じられない驚きと、今にも天に昇れそうなくらいの嬉しさが頭と心をいっぱいにする。


圭介のブルガリの匂いが、幸せを実感させた。


体を離し、口を押さえながらそっぽを向いた圭介の顔が赤く見えたのは、気のせいじゃ…ないよ…ね?


私も唇に何度も指を当て、さっきの圭介の言葉を頭の中で繰り返した。


夢…じゃないよね…?


やっぱり信じられなくて、思いっきり頬をつねる。


ものすごく痛かった。


痛みよりも嬉しさが大きく、口元が緩む。


「ははっ、何してんだよ(笑)」


そんな私を見て、圭介が目を細め笑った。


この笑顔が私だけの物になったんだ…。


私、今から圭介の彼女でいいんだよね…?


「あぁ」


!?


心の中で呟いたつもりが、無意識に口に出ていたらしい。


かなり焦ったけれど、優しく私の頭をなでる圭介に、涙が出そうなほど嬉しくなった。


圭介が私の手をつなぎ、タバコに火をつけた。


私もタバコをくわえ、火をつけようとしたら、圭介がタバコの先をくっつけてくれた。


目を伏せた顔がすごく綺麗…。


そんなことを思いながら、2回タバコを吸い込み火を移した。
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