依存~愛しいキミの手~
タバコの先のオレンジ色と、吐き出す煙りが暗い海の夜景に浮かぶ。


何気ない日常の景色が、すごく綺麗に見える。


つないだ左手から感じる圭介の温もり。


好きな人と付き合えることが、こんなに幸せなことだなんて初めて知った。


今までしてきた恋愛は、幼稚園児のおままごとのような物だったと思うくらいに、全然感覚が違う。


手をつなぎ、アーチ状の橋の上まで歩いた。


「あっち横浜だよな?」


圭介が海の左側に浮かぶ明かりを指差し聞いてきた。


「うん、横浜と川崎の方じゃないかな?」


私も圭介と同じ夜景を見つめながら答えた。


「ここ、お前が好きって言ってたの分かる」


屈託ない笑顔を見せる圭介に胸が高鳴った。


「海沿いで360度夜景見えるって珍しいよな。ベイブリッジにみなとみらいに定番の夜景だし(笑)しかも広いからか、人少ないし」


コンクリートの橋の柵に手をつきながら、周りを見渡す圭介。


「昼間もまったりした雰囲気でいいよ」


「じゃあ今度昼間来よう」


その言葉に口元を緩めながら頷いた。
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