依存~愛しいキミの手~
階段に座って待っていると、しばらくして知美が戻ってきた。


「お待たせ!今先生に志望校伝えてきた!」


明るく笑う知美。


え?進学するか悩んでたんじゃないの!?


「あすかちゃんと同じ高校にしちゃった!」


「え…えぇぇえ!?」


目をこれでもかってくらい見開いて驚いた。


私の志望高はハッキリ言って中の下…いや、下の上…とりあえずバカ高校。


何で県内トップクラスに進める頭があるのに、そんな学校に!?


驚きすぎて言葉が出ないまま、まばたきを何度もして知美の満面の笑みを見つめた。


「何で!?もったいないじゃん!!」


やっと言葉が出ると、知美は階段を降りながら言った。


「あすかちゃんとなら高校生活絶対楽しいって思ったから。確かに学生でしか得られない経験ってあるもんね。それを身につけるのも将来のためだよね!」


そ…そんな理由!?


「てか、私が落ちたらどうすんの!?」


知美の背中を追いかけて、言った。


「その時はその時だよ」


にっこりかわいい顔して笑う知美は、実はかなり肝が座ってるんだなと改めて思った。


知美はいつも服やバッグを衝動買いするように、高校もポンと決めてしまった…。
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