依存~愛しいキミの手~
近くにあった椅子に座り、まだバクバク鳴る心臓を落ち着けるのに、タバコを吸った。


「知美意外だね(笑)」


美香が笑って3人に言った。


「あいつ、ジェットコースターとか大好きだからな…(笑)か弱そうに見えて、お化け屋敷とかも1人で入ってくし」


「まじ!?」


3人の声が揃うほど、みんな驚いた。


後ろにあったクレープ屋でクレープを買い、圭介と半分こした。


「…お前らくっついて安心したよ」


片肘をテーブルに乗せ、横向いて足を組んだりょうちゃんが、私たちを見て言った。


?


クレープを食べようと開いた口のまま、りょうちゃんに視線を向ける。


「見ててあからさまに両想いなのに、じれったくてしょうがなかったもん」


りょうちゃんがタバコの煙を吐いて笑った。


「分かる!!ちょうじれったくて、圭介告らないのに男じゃないなと呆れてたよ(笑)」


美香も笑いながら言った。


「結局2人とも最初から好きだったんだろ?あすかが店来た時から分かってたよ」


りょうちゃんが私に笑いかける。


垂れた目尻に優しさを感じた。


やっぱり他の人には分かるもんなんだなぁ。


ホッカイロで手を暖め、ほうっと白い息を吹きかけた。


しばらくして大興奮で2人が戻ってきた。


色々回り、カウントダウンの時がやってきた。


シーパラにいた人たちがアクアミュージアムの前に集まり、カウントダウンが始まる。
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