依存~愛しいキミの手~
それから、知美の一般入試も美香の入試も終わり、2人揃って志望校に合格した。


2人とも落ちることはないと分かっていたけれど、合格と聞き私は飛び跳ねて喜んだ。


圭介と優とりょうちゃんが、私たちの合格祝いを開いてくれた。


自分の合格発表から1ヶ月くらいたっていたのに、その時初めて嬉しくなって泣いた。


「ともさんと同じ学校行けて良かったな」


涙を手の甲で拭う私の頭を、圭介が優しくなでてくれる。


余計涙が溢れ出した。


そして、沈丁花のいい香りが漂う3月初め、卒業式が行われた。


教室に着いたら後輩が造花をブレザーにつけてくれた。


クラスメートや他のクラスの友達とワイワイ春休みの予定を立てていると、先生がやって来た。廊下に並び体育館に入場する。


あー私本当に卒業するのかぁ。


実感がわいてきたら涙が出てきた。色々あった3年間…なんだかんだ楽しかったなぁと、しみじみしていたら


「お母さんやったよー!!」


と壇上から声がした。


卒業証書をもらったらパフォーマンスするのが、なんとなく伝統になっていた。


思い出に浸っていたのが一気に崩れた。


隣に座るゆきが今のを見て


「卒業式って感じ」


と泣き出したのが笑えた。
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