依存～愛しいキミの手～
入学から1ヶ月くらいたったある日、圭介が少年院に入ったと聞いた。理由を聞いても教えるのを渋っていた友達にしつこく問い詰めると、ショック受けるなよと前置きされて教えてくれた。


｢圭介の彼女ね、レイプされたんだって…｣


!?


言葉を失って、暗い顔で俯く美香の顔を見つめることしかできなかった。


原因を知った圭介が何日も寝ずに必死になって犯人を探し出し、半殺しにしたらしい。


仲間が必死に止めても無理で、かけつけた警察に押さえつけられても泣いて暴れながら、血だらけになって動かない犯人を罵ったらしい。


少年院にいる間誰とも面会せずにいた。


卒業式の何日か前に突然圭介が学校に登校してきた。会うのは彼女のお葬式以来で、あの時の悲惨な状態とは打って変わって、何かが吹っ切れたように明るく清々しい姿だったらしい。


少年院にいる間に何があったのかは誰も聞けず、今でも誰にも話していないそう。


今ホストをしているのは、犯人が半身不随になってしまったらしく、その慰謝料や治療費を親に返しているかららしい。


この話を聞いて私は何も言葉が出てこなかった…。
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