依存~愛しいキミの手~
圭介の顔が見れなくて、俯いたまま頷き、バスルームに行く。


脱衣場のドアを後ろ手に閉めると、足の力が抜けた。

ヤ、ヤバい…。


洗面台にもたれるように手をつくと、鏡に映る真っ赤な顔の自分がいた。


ヤバいくらい緊張してる…。


ばっくんばっくん鳴る鼓動を抑えながら、服を脱ぎ髪をクリップで束ねた。


体についた泡を流している時、疑問が浮かぶ。


化粧って…落とすの…?


でも崩れちゃってるしな…。


え、え!?みんなどうしてんの!?


その場で美香に電話したいくらいだった。


悩みまくって、結局化粧を落とし出た。


そしたらまた疑問が浮かぶ。


何着て出て行けばいいの!?

タオル巻いて出てくのもやる気満々な感じするし、かと言って着てた服着るの?


カゴに入ってるバスローブ…かな…?


下着はつけるの?つけないの?


あー携帯持って来とけばよかった!!てか聞いておけばよかった…。


まじ分かんない!!どうすればいいの!?


今思えばくだらなくて笑っちゃうようなことだけど、その時の私には本当に大事で、しばらく頭の中でぐるぐる考えていた。
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