依存~愛しいキミの手~
おばちゃんにお土産を渡すと喜んでくれた。


私とおばちゃんが話し込み始めたので、圭介は1人で階段を上って行った。

「おばちゃん、今度ケーキの作り方教えて?」


圭介の姿が見えなくなったのを確認し、少し身を乗り出して口を開く。


「ケーキ?…あ、圭介の誕生日に!?」


私が笑顔で頷くと、おばちゃんは楽しそうに


「どんなのがいいかなぁ?」

と1人で考えだした。


おばちゃんは、すごく私を可愛がってくれた。息子2人で、しかももう2人とも親離れしちゃって寂しいから女の子の私がすごくかわいく思えると、よく言っていた。


部屋に戻ると、圭介はベッドで寝ていた。


ソファーに膝を抱えて座り、タバコに火をつける。


羨ましいくらい綺麗な顔…。


見慣れたせいか、優しい笑顔が当たり前になっていたからか、圭介の顔が綺麗だなと思ったのは久しぶりだった。


圭介に出会えて、好きになって、こんなに幸せになれて…。


去年の今頃の自分じゃ考えられないくらい、毎日が充実してる。


ありがとう圭介。


圭介の寝顔を眺めながら色んなことを考えていたら、19時を過ぎていた。


ヤバっ!!


慌ててシャワーを浴び、準備をして、置き手紙を残し家を出る。


門の横で、タバコを右手に携帯を左手に持つ美香が待っていた。


「待たせてごめんね!」


吉祥寺まで歩いている途中、昨日の出来事を美香に話すと


「まじで!?優に報告しなきゃ!!」


と電話をかけ始めた。


「ついにあすかさんになったかぁ(笑)」


とかよく分からない冗談を言っていたけれど、2人とも自分たちのことのように喜んでくれた。
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